一般社団法人 日本音楽技術協会(音技協)では、グリーン音楽フェスティバル内で開催された「感動コンクール」の審査結果および講評を、本ページにてご紹介いたします。

本コンクールは、単なる演奏技術の優劣を競うものではなく、

  • 音に込められた想い
  • 表現に向き合う姿勢
  • 人生や成長のプロセスがにじむ音

そうした「感動」そのものを大切に評価しています。

審査方針について

感動コンクールでは、以下の考え方を軸に審査を行いました。

  • 技術点は重要だが、すべてではない
  • 機材トラブルや多少のミスタッチは評価対象外
  • 年齢・経験年数に関わらず、その人にしか出せない音・表現を尊重する

評価は順位を決めるためだけのものではなく、
出演者一人ひとりの現在地と可能性を言葉で残すこと
を目的としています。

評価項目(5段階)

※以下の評価は順位を示すものではなく、
今回の表現内容を多角的に評価したものです。

  1. 技術・完成度
  2. 個性・オリジナリティ
  3. 表現への取り組み姿勢
  4. 舞台全体の印象
  5. 感動度(最重要項目)

出演者別 講評一覧

以下に、各出演者への講評を掲載します。

■ チアフル⭐︎シスターズ
部門:エンターテインメント部門|審査結果:第1位

チアフルシスターズのステージは、1曲目から独自の世界観に一気に惹きこまれ、「もっと聴いていたい」と感じさせる力がありました。特に2曲目では、小学生を卒業し中学生へ進んでいく人生の節目に立つ二人の友情や絆、志が音に宿り、聴いていて思わず涙しました。年齢を超えて「人生のステージ」を感じさせる表現であり、感動コンクールの趣旨を強く体現するステージだったと感じます。最後の曲では機材トラブルがありましたが、本コンクールでは機材トラブルや多少のミスタッチは評価の対象としていません。一度演奏を終えた上で、最初から演奏をやり直すという判断も含め、最後まで音楽と表現に向き合った姿勢は高く評価されるべき点です。今回、3回目の挑戦で第1位を獲得したことは、粘り強く音楽と向き合ってきた努力の証です。これからはぜひ音技協キッズプロとして、二人ならではの音楽をさらに磨き、次のステージへ進んでいってください。今後の成長と活躍を楽しみにしています。

■ ピンキーペア
部門:エンターテインメント部門|審査結果:第2位

衣装が抜群に可愛らしく、舞台に登場した瞬間から強いインパクトがあり、会場の空気を一気に明るくしてくれました。振付やジェスチャーもよく工夫されており、音楽に合わせた動きが自然で、見ていてとても楽しいステージでした。音楽は「音」だけでなく、衣装やビジュアルも含めてひとつの表現になるという点で、ピンキーペアのステージはその大切さをしっかり体現していたと思います。演奏面でも二人の息がぴったり合っており、安心して聴けるアンサンブルでした。また、小学校低学年とは思えないほど礼儀正しく、舞台への向き合い方にも好感が持てました。この可愛さと完成度を活かした路線は、大きな魅力です。ぜひこのスタイルを大切にしながら、次のステージにも挑戦して下さい。この魅力が、今後どのように広がっていくのか、とても楽しみにしています

■ ギターおじさん 齊藤容儀
部門:エンターテインメント部門|審査結果:第3位

普段の齊藤さんの姿からは想像できないほどの力強い歌声が響き渡り、まずその声量と存在感に大きな驚きがありました。80歳とは思えない声の伸びとエネルギーは、会場の空気を一瞬で変える力を持っており、聴いている側を強く惹きつけました。また、トークも大変お上手で、語りと演奏が自然につながり、観客を物語の中へと引き込む構成がとても印象的でした。そこには単なる演奏を超えた「人生の重み」や「経験から生まれる温かさ」があり、言葉一つひとつ、音一音に深い説得力が感じられました。今回の最大の評価ポイントは、技術や年齢を超えて、人生そのものを感じさせる音が確かに鳴っていたことです。その音とメッセージは、多くの人の心に残り、感動コンクールの趣旨を体現するステージでした。

■ 吉敷 晴之介
部門:芸術部門|審査結果:最優秀賞(芸術賞)

吉敷晴之介くんの演奏は、確かな演奏技術の高さはもちろんのこと、最初の数秒から「技術を超えた芸術の音」が自然に立ち上がってくる点が非常に印象的でした。特に「エリーゼのために」では、音の整理やフレージングの美しさが際立ち、会場だけでなくスタッフからも思わず声が上がるほどの完成度でした。お兄さん同様、一音一音に意味を持たせるしっかりとした表現力があり、年齢以上に成熟した音楽性を感じさせます。課題曲「Mother Earth」での一部端折りはご愛敬で、音楽全体の流れや世界観は脳内で自然に補完できるほど、表現の軸が明確でした。すでに高いレベルにありますが、これから経験を重ねることで、さらに深みと説得力を増していくことは間違いありません。今後の成長と次のステージが、ますます楽しみな演奏でした。

■ 鍋田 豊
部門:芸術部門|審査結果:審査員特別賞

鍋田豊くんのステージは、1曲目「オンブラ・マイ・フ」冒頭のわずか数秒で、音の厚みと温かさに強く心をつかまれました。小学生とは思えないほど深く、芯のある音色で、一音一音にしっかりとした意思が感じられる演奏でした。ステージ上でのジェスチャーも自然で、音楽に向き合う姿勢がそのまま表現として伝わってきた点も印象的です。また、課題曲「Mother Earth」では、楽曲が持つ世界観をよく理解し、丁寧に音で描こうとする姿勢が感じられ、感動コンクールの趣旨にもよく合った表現でした。すでに高い音楽性の芽がはっきりと見えており、これから経験を重ねていくことで、さらに大きく伸びていくことが期待されます。今後の成長と、次のステージでどのような音を聴かせてくれるのか、心から楽しみにしています。

■ 凪
部門:芸術部門|審査結果:審査員特別賞

凪君のステージは、最年少ながらも難曲「Mother Earth」に真正面から取り組んだ姿勢そのものに、まず強い感動がありました。一音一音を大切に、最後まで一生懸命弾こうとする姿から、思わず胸が熱くなりました。演奏には、派手さ以上に、日々まじめにコツコツと練習を積み重ねてきた努力がはっきりと表れており、その誠実さが音として伝わってきました。今回の挑戦は、確実に今後の大きな土台になります。この姿勢を大切にしながら、これからも音楽と向き合い、さらに成長していくことを心から期待しています。

■ KISHIKI
部門:エンターテインメント部門

親子三人によるピアノ6弾とクラリネットのアンサンブルは、全体を通してとてもほのぼのとしており、会場に温かい空気を運んでくれました。演奏からは自然と親子の愛情や信頼関係が伝わり、聴いている側の心が和らぐ、印象深いステージでした。また、技術面もしっかりしており、それぞれの役割が明確で、アンサンブルとしての完成度も高く感じられました。ピアノとクラリネットのバランスも良く、多彩な親子ならではの表現が活かされていました。今後は、曲の構成や表現の山場などで、もう一段階「インパクト」を意識すると、温かさに加えて強く印象に残るステージになると思います。ぜひ、この親子ならではの魅力をさらに磨いていってください。

■ Shelly & Lily
部門:エンターテインメント部門

シェリーさんの演奏からは、これまでの積み重ねによる成長がはっきりと感じられ、とても頼もしいステージでした。一音一音に落ち着きがあり、表現への向き合い方が深まっていることが伝わってきました。また、リリーさんのソロピアノは、音色がとても心地よく、会場全体にやさしく響き渡り、聴いていて自然と気持ちが落ち着く演奏でした。親子それぞれの個性が活かされた、温かみのある時間だったと思います。今後、感動コンクールの趣旨という点から見ると、構成や表現の中に「インパクト」や「意外性」を意識的に取り入れることで、より強く印象に残るステージになると感じました。ぜひ、今ある魅力を大切にしながら、次の表現にも挑戦してみてください。

最後に

今回の感動コンクールでは、
年齢・経験・スタイルを超えて、
「音楽が人の心を動かす瞬間」を数多く目撃しました。

音技協は今後も、

  • 技術だけで評価しない
  • 結果よりも「音と向き合った時間」を尊重する
  • 音楽を通して人が成長する場を守る

その理念を大切に活動してまいります。

出演者の皆さま、
そして支えてくださったご家族・関係者の皆さまに、
心より感謝申し上げます。

一般社団法人 日本音楽技術協会
感動コンクール 審査員
Arly Lucis